自分にはよくわからない自分

あなたは「自分自身のことは自分が一番わかっている」と思いますか?

確かにその通りかも知れません。

しかし他人にはわかるのですが、自分にはよくわからない自分も存在します。

短編小説『空中ブランコ』をご存じの人も多いと思いますが、その中でベテラン空中ブランコ師は突然失敗を繰り返すようになります。

空中ブランコ 奥田英朗 著 

本人は自分に問題はないと訴えます。
そして破天荒な精神科医との関わりの中、やがて自分には思いもよらない自分を目の当たりにします。

詳しくは小説を読んで頂くとして、自分には思いもよらない自分に気がつくこと。
それが自分にとって認めたくない欠点であったり、情けないと感じることならばつらいことですね。

そんな自分に気づくことにプラスの意味合いや価値を見出せなければただ苦痛なだけでしょう。

しかしそこに自分なりのプラスの意味合いや価値を見出し、たとえ欠点であったり情けなかったりする自分でも大切な今の自分の一部である。

そして実は長所にもなり得る部分なんだと心の中で受け容れられるようになってくると、その人は人間的に一回り成長するようです。

もちろん認めたくない自分や見たくない自分を、できれば避けて通りたいのが人情でもありますが…。

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