大人の発達障害について

大人の発達障害とは

就職が決まって社会に出たが、何故か人間関係や仕事がうまくいかなくて追い詰められてしまった。

もう少し具体的にお話を聴くと「自分では丁寧に話しているつもりなのに相手に失礼だと言われてしまう」「単純なミスを繰り返してしまう」「何度教わっても仕事の手順を覚えられない」「上司から仕事を頼まれたが具体的に言ってくれないので混乱してしまう」「電話を受けながら同時にメモが取れなくて困っている」「先輩が隣にいると気が散って運転ができない」など。

このような相談の中にその根本要因として、脳の機能に偏りのある「大人の発達障害」を抱えた人がいるケースが多くあります。
(※診断は必ず専門医に受けて下さい。きちんとした診断基準や心理テストがあります。)

このようなお悩みをかかえた人に過去から今までの様子を詳しく聴くと「子供の頃より自分は何か人と違うのでは?と感じていた」「人の輪にうまく入れず、何かいつもうまく話せなかった」「周りの人に自分は変だと思われているみたいと感じていた」などと何らかの違和感を伴う“生きづらさ”を感じていたと話します。

そして、それでも周囲に何とか適応しようと頑張ってきた人が多いのです。

しかし社会に出ると仕事を覚えるだけでも大変な上に今まで以上のコミュニケーション能力や情報の処理を求められ、その根本要因として脳の機能に偏りのある「大人の発達障害」の人達は混乱したりパニックになったり、また心に傷を負って二次障害として「うつ」「気分の不安定さ」「何らかの依存症」などになって苦しむ人もいるのです。

それでは「大人の発達障害」にはどのような特徴があるのでしょうか?

区切り1

大人の発達障害の特徴

大人の発達障害が世間に広く知られ、大きな問題になってきたのはおそらくここ10~15年くらいです。

「自分は他人と何か違っておかしい」「人間関係がうまくいかないのがどうしてか知りたい」と訴えても「それが個性ですよ」と言われてしまうケースも多かったようです。

本人には自覚が無くもちろん悪気も無いのですが、周囲の人から『空気が読めない人』というレッテルを貼られることが一番多いのが大きな特徴です。

しかしそれは根本要因として脳の機能に偏りがあるためであり、本人も傷つき何とか社会適応しようと悩んでいるのです。

それではここからはさらに大人の発達障害の特徴を具体的に見ていきましょう。

尚、発達障害は画一的な状態像があるわけではなく様々なタイプと個性が混ざり合っており、大きな枠組みでは自閉症スペクトラムとも重なる部分もあります。
ですから、以下の特徴すべてが大人の発達障害の人に当てはまるとは限りませんので注意して下さい。

区切り

まずコミュニケーションでは言葉のウラが読めないのが特徴です。

相手の言った言葉をただ文字通りに受け取ってしまいます。
なので周囲からは正直の度が過ぎているように感じます。

それは言葉の周辺にある語調や言い方・文脈などについて想像する力が弱いからです。
ですから冗談やたとえ話や皮肉が通じないことが多くなります。

また抽象的な言葉ではよく伝わらず、具体的な言葉に置き換えてもらわないと混乱したり行動に移せません。

よく聞く例では、上司から「その仕事は適当に処理しておいて」「その書類は良さそうな所に置いておいて」と言われても具体的にどうすればよいか分からなくて混乱するといった具合です。

また、表情認知が苦手な人もいます。

表情から相手の感情や考えていることを読み取ることが難しいのです。
ですから、相手が怒った表情になっても自分が怒られていると理解するのが難しかったりします。

さらに本人も状況に合った表情ができないことがあります。
ですから人間関係がうまくいかなくなることが多くなります。
しかし表情が一致していないだけで、本人の中には喜怒哀楽の感情はあり傷ついているのです。

概念化・パターン認知が苦手な人も多いです。
つまり物事を全体として捉えることが難しいのです。
一方で細部にこだわりやすいため、仕事や作業の効率が非常に悪くなる傾向があります。

複数の情報を処理することが苦手な傾向もあります。
仕事では複雑な指示に対して混乱してしまうことがあります。

環境の変化は苦手で、ものごとが決まった位置にある「静的」な状況で安定する傾向があります。
ですから単純作業やルーティンの仕事はとても得意な傾向があります。

複数の情報から選んで情報を取り出すことが上手にできない人もいます。
たとえば、人ごみのようなガヤガヤした環境の中ではすべての音が頭に入ってきて相手の話を選択的に聞き取ることが困難だったりします。

以上のような具体的な特徴が認められます。

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こちらでの心理カウンセリングについて

まず大人の発達障害の診断や専門的ケアは必ず専門医に受けて下さい。

こちらの心理カウンセリングでは、診断を受けたが仕事や日常生活で生きづらさを感じており心理サポートを受けたいといったケース。

二次障害による「うつ」「気分の不安定さ」などの状態をメンタルケアしていきたいケース。

診断まで必要ないと思っているが、自分自身の特性を知って生きづらさを軽減し今より楽に自分を生きていきたいといったケース。

以上のようなケースに対して心理サポートしていくことができます。

心理カウンセリングではまず傷ついた心や自己を立て直していけるようにサポートしていきます。

もちろん特有の『生きづらさ』についての辛さなどの気持ちを十分お聴きしていきます。

そして自分自身の特性を客観的に理解しながら、ご一緒に現実場面や社会場面での対処行動や対処方法を考えて行動に移していき『生きづらさ』を楽にしていきます。

また自分自身の特性を活かしていくような生き方や仕事環境を選んでいくことも大切だと思います。

心理カウンセリングにお見えになる人は、問題がこじれて二次障害が見られるケースが多いです。
それにより元々の『生きづらさ』を大きくしているとも言えます。

そのケアに対して、心理カウンセリングの効果は大きいと思います。

また大人の発達障害なのではないかとお見えになる人の中には、誰でも抱える依存と自立の葛藤などよくある心理的テーマが関係しているケースも多いです。

すぐに診断までは必要ないと思うが、コミュニケーションがうまくいかない等の生きづらさについて相談して見たい人は是非お問い合わせ下さい。

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