気分の落ち込み(うつ状態)について

うつ状態と心理カウンセリング

気分が落ち込む・やる気が出ない・疲れが取れない

気分が落ち込む・やる気が出ない・休んでも疲れが取れない・よく眠れない等のうつ状態に関するご相談は心理カウンセリングではよくあります。

心の中でエネルギーが無くなってしまっているため、もしくは心の中で強い葛藤を起こしてエネルギーを使い切ってしまっているために脳が疲弊して、とても辛い状態になり日常生活にも支障が出ることがあります。

若い世代では休みの日は元気でも仕事や学校になると気分が落ち込む・やる気が出ないなどの状態になる人も多くいます。

今や会社や企業でもこういった気分の落ち込み・やる気が出ないことへのメンタルヘルスは大きな課題となっています。

うつ状態への心理カウンセリング効果

うつ状態・気分の落ち込みに対して心理カウンセリングは有効で、以下のような効果が期待されます。

◆話をよく聴いてもらう・共感してもらう・気持ちをサポートしてもらうことで、自分自身の心の中が整理され気持ちが楽になります。

◆心理専門的なアドバイスやサポートを的確に受けられますので、うつで判断力が鈍っている人には助けになります。

◆「怠けている」「気持ちが弱い」と誤解されて孤立しがちなクライアントさんに対して、カウンセラーは味方になり心理的サポートをしていきます。

◆ネガティブな思考や悪い習慣の元になっている、ものの見方や考え方の認知の仕方や行動を変えることができます。(認知行動療法による心理アプローチ)

◆繰り返して中々改善しない場合は重要な心理的テーマが背景に認められることが多く、それを明らかにして乗り越えていく援助ができます。

◆ご家族に対して悩んでいる本人の心理的事情を必要なら説明することができ、またご家族の話もよく聴いて環境調整をしていくことができます。

それでは次に、うつ状態について詳しく見ていきましょう。

区切り1

うつ状態を詳しく解説

うつ状態で現れる様々な症状

気分の落ち込み(うつ)の状態が進むと、以下のようなことが認めれることがあります。

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寝つきが悪くなったり、途中で何度も目が覚めてしまったり、早朝に目が覚めてしまう 

仕事や勉強の能率が上がらなくなり、単純なミスやど忘れをすることが多くなる

とくに朝に会社や学校へ行きたくないと思うことが増える(実際に行けなくなる) 

これまで興味があった趣味などをほとんど楽しめなくなる 

ダイエットをしていないのに体重が減ってくる 

突然に動悸がしたり、不安や焦り・悲しみに襲われることがある 

性欲が急激になくなってくる 

気持ちが重く沈んだり憂うつな気分になる
 
食欲がなくなってきたり食べても美味しいと感じなくなる 

自分が生きている価値を感じられず、死にたいとか死んだ方が楽だという考えが出てくる

午前中に無気力だったりして調子が悪く、夕方から夜にかけて比較的に調子が良くなる

理由もなく疲れやすかったり、体がいつもだるい

最近ささいな出来事で泣いてしまったりして、すごく涙もろい

将来への希望や夢を考えたりイメージすることがなくなった 

人と会うのがおっくうで何をするのも面倒である

首や肩が凝って仕方がなかったり、理由なく背中や腰が痛いことがある

周りの人たちにとって自分が必要な人間だと思えない

風邪をひきやすく、長引いてなかなか治らない

集中力・判断力・記憶力が急激に低下する

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以上のような様々な症状が現れる可能性がありますが、そのうちいくつかが認められてとても辛い状態になります。

悪化すると会社や学校へ行けない・休まないといけない状態になりますから早めにご相談下さい。
(※状態によりメンタルクリニックでの投薬治療を併用することをお勧めすることがあります。)

※こちらのカウンセリングルームではうつ状態の程度を把握する心理テストをすることができます。
ただし診断は必ず医師に診てもらって下さい。

それでは次に、うつ状態になる要因やきっかけ・なりやすい性格を見ていきましょう。

区切り3

うつ状態になる要因

誰でも大切な人を失った時には一過性に気分が落ち込みます。

しかし悲しみや喪失感といった感情を浄化できない、新しい現実を受け入れることができないといった喪失体験などによる心理的要因

几帳面でまじめな性格の人が失敗にこだわりすぎて抜け出せない等といった性格的要因

人間関係のトラブルや家族間の争いなどによって、ストレスが慢性的に溜まっているといった環境的要因

長期にかけての疲労や持病などによって身体のバランスを崩しているといった身体的要因

このような要因が絡み合って、自分だけではなかなか回復できないサポートを必要とするうつ状態(気分の落ち込み・やる気の無さなど)になっていきます。

区切り1

うつ状態になるきっかけ

うつ状態・気分の過度の落ち込みのきっかけとしては、生活や環境の変化が大きなストレスになります。

悲しかったり辛い出来事だけではなく、昇進など周囲からは喜ばしいことでもプレッシャーなどからストレスになり、うつ状態や気分の過度の落ち込みのきっかけになり得るので注意して下さい。

具体的にあげると・・・

・仕事内容・職場環境・ネットワークの変化 ⇒ 苦手な仕事内容、失業、退職、転勤、出向、昇進、激務、大きなミス、パワハラ、人間関係の悪化など
・近親者との死別や離別
・配偶者との離婚、別居、家庭内トラブル
・結婚、出産
・子供の自立
・引越しや家の新築

などがあげられます。

また心理カウンセリングで話を聴くとクライアントさん自身の心のあり方の転換期が訪れていて、それがきっかけになっていることも多く認めれれます。
また依存と自立の葛藤などクライアントさんが持っている心のテーマが関係している事もよくあります。

しかしそのことにクライアントさんは気づいていないことが多いので(無意識の部分が大きいため)、心理カウンセラーはそれを明らかにして説明し一緒にそのテーマに対して取り組んでいくことになります。

うつ状態になりやすい性格

典型的なうつ状態になりやすい性格はメランコリー親和型性格(執着性格)と言って
まじめで几帳面、完璧主義で責任感が強く、他人の評価を気にし過ぎて何かを頼まれるとノーと言えないといったタイプになります。

このような人は社会的評価が高く信頼されて環境適応が良いと思われますが、自分の疲れをかえりみずに頑張ってしまったり、他人に気を使いすぎてストレスを溜め込んでしまいます。

しかし現在では急速な社会環境の変化が影響してか、メランコリー親和型性格の人ばかりではなく誰でもうつ状態や気分の過度の落ち込みに陥る可能性があります。

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うつ状態への心理アプローチ

うつ状態への心理的サポート

うつ状態・気分の過度な落ち込みは、たとえて言うならば脳のエネルギー又は心的エネルギーが枯渇してしまっている状態です。
ですから先ずその心的エネルギーをじっくり焦らずに溜めていく必要があります。

しかしうつ状態になると過度に自分を責めたり不安になったり焦ったりしますから、なかなか心的エネルギーは溜まりません。
そうなると専門的なサポートが必要になってきます。

うつ状態の診断は必ずメンタルクリニックのお医者様に診てもらって下さい。
他に心理的サポートとして心理カウンセリングや認知行動療法があります。

これらはご一緒にお話していくことによって、主に心理的要因・性格的要因・環境的要因を改善していきます。

心理カウンセリングでは心理的サポートや専門的アドバイスはもちろん、なかなか改善しないケースではその背景にクライアントさんの持つ“心のテーマ”が認められることがあり、それについてカウンセリングでご一緒にお話をしながら根本的改善を目指していくことができます。

また認知行動療法では主に認知の歪みを修正し、ものの見方・捉え方を楽な方向へと変えていき適切な行動へと繋げていきます。

区切り1

心理カウンセリング・認知行動療法の実際

うつ状態・気分の落ち込みがひどくなると、独りで考えてもネガティブ思考になり適切な方向へと考えることができなくなってしまいます。
また迷ったり焦ったりして判断できないことも多くなります。

どうしても物事を悲観的に考えたり自分のことを責め過ぎたりしますから、心理カウンセラーが共感しながら話をよく聴き気持ちをサポートしていくだけでも混乱した心や考え方が整理されて楽になってきます。

もちろん心理専門的なアドバイスやサポートを的確に受けられますので、安心して改善することに集中できるでしょう。
心理カウンセラーが後ろ盾になる環境が整うだけでも、焦りや不安はかなり軽減するはずです。

心理カウンセラーは家族に対しても、クライアントさん本人がもし望めばうまく表現できない心情や関り方などを説明することができます。
同時にうつ状態の人を抱える家族の負担も大きいですから、お話をよく聴いて現実的な対処を一緒に考えて生活を調整していきます。

このように家族など周りの環境調整をしていくことも、うつ状態や気分の過度な落ち込みを改善していく上でとても大切なことです。

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クライアントさんにある心理的背景

カウンセリングでお話をお聴きするとうつ状態になっている背景には、新しい環境への不適応や人間関係でのお悩み、適切な自己表現やストレス発散ができない性格・社会的スキルの未熟さなどが浮かび上がってくることが多いです。

このような状態になる人はよく言われる通り、まじめで考え方がもう少し柔軟だったら楽なのにと感じる人が多いです。
その性格やものの見方・捉え方は良い面もあるのですが、何事も“過ぎる”と自分自身の心の負担は大きくなってきます。

心理カウンセリングや認知行動療法では、そのバランスがうまくとれるように援助していきます。

またうつ状態になる時機というのは、心理的背景にクライアントさんの人生の転機や心のあり方の転換期であることも多く認められます。
そこにはクライアントさんが乗り越えていく必要性のある心のテーマや意味合いが存在することもよくあります。

ですからうつ状態が改善していくプロセスで、クライアントさんのその後の人生や心のあり方についてプラスの意味合いを見出せるようなカウンセリングを私はいつも心掛けています。
未来へ向けてクライアントさんなりの新しい自分や価値観を見出していくことができると良いですね。

次に、うつ状態・気分の落ち込みで悩んでいる人がいる家族への注意点などを説明していきます。

区切り3

ご家族の方への注意点

家族ができるサポート

うつ状態で悩んでいる人にとって家族や信頼している人のサポートはとても大きな支えになります。
ここでは家族ができるサポートと家族カウンセリングについて説明していきます。

家族や周りの人がどのようにサポートをしたら良いのか、どう接すれば良いのかを以下に挙げて見ましたので参考にして見て下さい。

◆まずうつ状態について正しい知識を持つことです。「怠け」や「気の弱さ」といった気持ちの問題ではありません。

◆「頑張れ」と励ますのは逆効果で追い込むことになりますので注意して下さい。本人は頑張りたくても頑張れないのです。「大丈夫」「必ず良くなるから」と安心したり焦らせない言葉をかけてあげて下さい。

◆気分転換のためとの思いから旅行・外出・スポーツなどに誘うことは避けましょう。とくに最初は休養が何より大事です。

◆本人が一人で不安そうだったらできる範囲で通院やカウンセリングに付き添ってあげましょう。安心感がもらえて本人にとってはとても助かります。

◆決断や考え方の手助けを「こうしたらどう?」「ああしたらいいんじゃないの?」といった提案の形でサポートしてあげましょう。なかなか決断ができないのも症状です。

◆家事など日常生活上の負担を減らしてあげましょう。いつも普通にできていたことでも本人にとってはとても負担になっていることがあります。

◆自殺に注意して下さい。とくに改善しかけの時がもっとも危険です。状態が悪い時にはそんな気力すら出てこないものですが、少しずつ心身のエネルギーが上昇してくると行動へ移す恐れがあるからです。

◆状態の波を繰り返すことにも注意してあげましょう。状態が悪く見えたら話し合って早めに相談するなど対応をしてあげて下さい。

などが挙げられます。

※正式な診断や専門的サポートは必ず医師に診てもらって下さい。

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家族カウンセリング

うつ状態で悩んでいる人がいる家族の負担は、精神的にも日常生活面でもとても大きなものになります。
ですから共倒れをしないように上手く付き合ったり工夫をしていく必要があります。

その対応の一つに、家族が本人のカウンセリングの数回のうちの一回を付き添って通う家族カウンセリングもあります。(※本人が了承しているケースに限ります。)
定期的に家族カウンセリングをしていくことは、お互いの精神的負担を軽減したりコミュニケーションや行動のズレを調整していくのに有効です。

家族も無理をせずに是非相談して見て下さい。
心理カウンセラーからの専門的な説明を受けると正しい知識が身につき、本人への心の理解も深まるので不必要な心配をしなくて済みます。

またご家族の意見はもちろん、実際的な困難や苦労の話も聴かせて頂きます。
さらに本人は一緒にカウンセリングに参加してもらうことで安心感が深まります。

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