認知のゆがみである【自分で実現してしまう予言】
極端なものの考え方や受け取り方を、鬱や不安症に有効なアプローチである認知行動療法では“認知のゆがみ”と呼びます。
特徴的な“認知のゆがみ”のパターンについては代表的なものが幾つかあることが知られています。
今回はその一つで、悪循環に陥りやすくネガティブな強い観念とも結びついていることが多い“自分で実現してしまう予言”を挙げてみます。
これは自分で否定的な予測を立てて自らの行動を制限してしまい、自らの行動を制限するものだから予測通りに失敗してしまうことを言います。
その結果、否定的な予測をますます信じ込んでしまい悪循環に陥ってしまいます。
自分で実現してしまう予言の認知の具体例
例えば、人前で話そうとするとうまく話せなくなるのではないかと心配し過ぎるために、いざ人前で話すことになると失敗することばかり考えて自意識過剰になってしまう。
そして実際言葉が詰まったり頭が真っ白になったりして、結局やっぱり自分は人前ではうまく話せないんだとレッテルを強く貼ってしまう結果になります。
また心の深いところでネガティブな強い観念と結びついている例では、アダルトチルドレンに当てはまる人が自分の育った家庭は幸せでなかったので、自分も幸せになるはずがないとか結婚する資格がないと信じ込んでいて、いざそういったチャンスがあっても自ら壊してしまったり逃げてしまったりするようなことも言えると思います。
いずれにしても自分がどのような“認知のゆがみ”を抱えているのかを認識することは大切です。
繰り返す苦しい出来事の背景にどんな認知の捉え方があるのかをはっきり意識化することによって、初めてそれを変えることができるようになるからです。
練習をしながら意識して“認知のゆがみ”を修正し、気分や行動を楽な方へ変えていこうとする専門的なアプローチが認知行動療法になります。
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