無意識を想定する精神分析
“精神分析”と聞くとどんなイメージをされるでしょうか?
よく聞く話では無意識には性的な願望の抑圧があるという、心の中に無意識を想定したフロイトによる断片的な理論のイメージが多いようです。
一方で同じく心の中に無意識を想定したユングは、その無意識の中に創造性や新たな可能性を見出しそのポジティブな面を強調しています。
そしてこのユングの視点をカウンセラーが持つか持たないかは、お悩みや心的症状によって苦しまれているクライアントさんをより深く理解していく上でとても大きなことです。
悩みや心的症状の意味合いと変化の可能性
つまりクライアントさんにとってのお悩みや心的症状は(もちろんどうあれ辛いことだという認識の上で)、次なる次元への成長に至るための不適応とも捉えられ、そのテーマや課題を乗り越えて今までのあり方とは異なる新しい可能性やあり方を手に入れるプロセスであるという視点を投げかけてくれます。
一面的にはネガティブと捉えられるお悩みや心的症状も、心が“次なる次元へ変容するための契機”と捉えることができるのです。
実際のカウンセリングでも、例えば他人を優先させる生き方をずっとしてきたクライアントさんが仕事やプライベートで無気力になっている心の無意識には、もっと自分を主体的に生きたがっている自分が高まっているなどという例はよくあることです。
ユングは心的エネルギーが自我(現実を生きる自分)から心の無意識の方向へと流れることを“退行現象”と言いました。
実際には、無気力になる、気分が過度に落ち込む、イライラなど感情のコントロールを失う、心的症状が現れる、といった状態として“退行現象”は現れます。
そしてユングはこの“退行現象”をネガティブな面だけとは捉えず、むしろ心の無意識へ向かった心的エネルギーが新たな可能性や創造性を獲得するために必要なプロセスであるとしているのです。
(※もちろん適切なサポートを受けた上で新たな可能性やあり方は獲得できるので、明らかに病的な状態の時はお医者様の診断・診察をきちんと受けて下さい。)
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ご一緒にお悩みやその問題と向き合っていきましょう。
心が楽になって“なりたい自分”にきっと変われるはずです。