クライアントさんの勤める会社や企業によって“うつ”などのメンタルヘルスに対する職場の認識や対応の仕方には、かなりの格差があります。
これはカウンセリングで実際にお話を聴いての実感です。
働く人のメンタルヘルスをサポートするために、また“うつ”などの影響による社会的損失を防ぐため、国の施策や労働安全衛生法の改正などが行われてきました。
その成果もあって、大企業では従業員のメンタルヘルスに対して積極的に対応するところが増えました。
具体的には、健康管理室を設けたり。外部の専門機関と契約して社員の心の健康をサポートするEAPを利用したり。管理職向けのセミナーを頻繁に開催したり。
そのため、本人や管理職・職場の周りの人達が“うつ”などのメンタルヘルスに対して、理解や認識がとても深まっています。
ですから、昔に比べて病名をオープンにして休職したり、仕事の量や質を調整してもらったりすることが、ずいぶん抵抗なく可能になってきました。
大企業や公務員では“うつ”などを患った人が職場復帰するために、復職プログラム(リワークプログラム)を細かく設定しているところもあります。
そして、会社の産業医・復帰する現場・人事など連携を図って対応してくれるところも多いのです。
ただし、細かく厳しい規定に本人の心が縛られて、追い詰められてしまうケースもないわけではありません。
一方で、中小企業や個人企業では組織的に対応できないこともあるのでしょうが、未だに情報や知識に乏しいところが多いのが実情です。
もちろん中小企業や個人企業であるだけに、親身になった対応をしてくれるところもあります。しかし、お医者様の診断書を提出しても、「気の持ちよう」とか「怠けている」などと誤解を受けることもまだ多いのです。
家族的経営で職場の雰囲気があたたかい会社でも、情報や知識に乏しいため、本人にとっては逆に苦しむ対応を気付かずにしているところもあるのです。
次回はつづきで、もし社会的・経済的に追い詰められてしまった時の話をします。
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