極端なものの考え方や受け取り方を、鬱や不安症に有効なアプローチである認知行動療法では“認知のゆがみ”と呼びます。
特徴的な“認知のゆがみ”のパターンについては、代表的なものが幾つかあることが知られています。
今回は、ネガティブな感情を誰かや何かに抱いて客観的な事実と区別できなくなる“感情的決めつけ″を挙げてみます。
これは、自分の中から出てきたネガティブ感情で感じていることをあたかも事実を裏付ける証拠と思い込んで決めつけてしまう思考パターンを言います。
例えば、
(不安を感じると)おそらく失敗するに違いない。
(自己嫌悪を感じると)自分なんてやっぱりダメだ。
(嫌悪感を感じると)あの人とはうまくいくはずがない。
といった具合です。
以上の例のように、この“感情的な決めつけ″は自分が感じていることが全てではないし行動してみないと分からないにも関わらず、ネガティブな感情にのみ込まれている状態になり自分でもそれに気づけません。
そして苦手と思うことや嫌と感じることから目を逸らしたり逃げたりしてしまう決断の先送りにも繋がります。
このように自ら行動を制限してしまうので実際に状況を悪化させてしまい、そうなると不安になったり気分の落ち込みに繋がっていきます。
“感情的な決めつけ″への対処は、次のようなフラットな視点や意識を持てるようになると有効です。
自分が感じたことは全てではないし事実は違う可能性がある。
実際やってみないと分からないし、そうであるかも知れないしそうでないかも知れない。
そして決断を先送りしてしまうより行動した方が楽なはずだ。
フットワークが軽く何でもスッと行動へ移せる人は、上記のような視点や意識を持っておりネガティブな感情に流されにくいはずです。
いずれにしても自分がどのような“認知のゆがみ”を抱えているのかを認識することは大切です。
不安になりやすかったり落ち込みやすかったりする背景にどんな捉え方があるのかをはっきり意識化することによって、初めてそれを変えることができるようになるからです。
練習をしながら段々と自分が抱えている“認知のゆがみ”を修正していこうとする専門的なアプローチが“認知行動療法”になります。
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