あなたにとっての『普通』とは何か?

「こんな自分は普通ではないです」と話すクライアントさん

あなたにとっての『普通』とは何でしょうか?

クライエントさんはよく

「こんな自分は普通ではないですから…」
「こんな風になってしまう自分は普通ではないですよ。」

とお話しすることがあります。

『普通』を辞書で調べると「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること。」と書いてあります。

しかし、クライエントさんがここで使っている『普通』とは、

「他の人は普通であって自分はどこか変。又はおかしい。」
「他の人は難なくできている。それが普通なのに自分はこんな風になってしまいうまくできない。」

といった意味で使うことが多いのです。

具体的な例を想像して説明すると

よくある具体例を私が創造して説明してみましょう。

Aさんは大学を卒業して会社に就職したばかりの新入社員です。

性格が“まじめ”なのはとても良いところです。
しかしプレッシャーがかかると“まじめ”も過剰になり、少し強迫的になるところがあるようです。

そんなAさん。

とにかく頑張らないと、しっかりやらないと、と思い過ぎたのでしょうか…。
人前で大事な書類を書こうとすると、何故か手がいつも震えるようになってしまいました。

そこで出てくるセリフがまさに

「こんな風になってしまう自分は普通ではない!」
「同期はこんなこと普通にできているのに自分だけできない…」

だったりするわけです。

自己否定してしまうと悪循環に陥ってしまう

しかも『普通』でないから『普通』になろうとさらに頑張ってしまうと、自己否定した上で心の中の緊張感を高めてしまいます。

そして症状を悪化させてしまったり、固定化させてしまう悪循環に陥ってしまうのです。

確かに症状や仕事の結果だけを取り出して見れば『普通』ではないのかも知れません。

しかし新入社員で緊張するのは当たり前のところはありますし、同期の中でも仕事がうまくできずに悩んでいる人は多いはずです。

そういった意味では他の人とそんなに変わらないのかも知れません。

緊張や不安がある自分自身を受け入れられているか?

もし違いがあるとすれば「その緊張や不安がある自分自身を受け入れられているのか?いないのか?」が一番大きいことなのかも知れません。

「自分は普通ではない!」と思い過ぎてしまう時はあなたの『普通』を一度疑ってみましょう。

周りの人や知り合いの心の中はどうなのか?それとなく聞いてみるのも良いでしょう。

自分が思い込んでいるより、実は『普通』であるあなた自身に気づくかも知れません。

※もちろん症状がすでに固定化してしまったり性格や心理的要因が根本にある場合は以上の話のレベルを超えていますので、メンタルクリニックやカウンセリング機関にご相談されることをお勧め致します。

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