認知のゆがみに気づく⑤べき思考

極端なものの考え方や受け取り方を、鬱や不安症に有効なアプローチである認知行動療法では“認知のゆがみ”と呼びます。

特徴的な“認知のゆがみ”のパターンについては代表的なものが幾つかあることが知られています。

今回はその一つで、自分を追い込んで気分が落ち込みやすくなったり相手のことを許せずイライラしたりしやすい“べき思考″を挙げて見ます。

これは「こうすべきだ」と自分に必要以上にプレッシャーをかけたり、「あのようにすべきではなかった」と過去のことをあれこれ思い出して悔やんだりして、自分の行動を自分で制限して自分を責める思考パターンを言います。

また相手に向くと許せない場面が多くなってイライラしやすくなります。

例えば、

母親なら子供に出来合いの食べ物を与えるべきではなく料理はきちんとしないといけない。

もう新入社員ではないのだからこんな失敗はするべきではなかった。

自分は直ぐにメールの返信をしたのだから相手も直ぐに返事をよこすべきだ。

といった例が挙げられます。

カウンセリングでお話を聴くと「べき思考」の認知のゆがみを持っている人は、親が完璧主義だったり厳しい学校に通ったことがあったりでその影響を強く受け「べき思考」を自分に取り込んでいることが多いです。
そしてまだ自分なりの価値観を持ちきれず「べき思考」に縛られている状態で苦しんでいます。

また自分自身が完璧な自己イメージを持っていてそこから外れることに不安があり、その完璧な自己イメージを保つためにも必要以上の「べき思考」を手放せずにいるケースもあります。

いずれにしても自分がどのような“認知のゆがみ”を抱えているのかを認識することは大切です。
不安になりやすかったり落ち込みやすかったりする背景にどんな捉え方があるのかをはっきり意識化することによって、初めてそれを変えることができるようになるからです。

練習をしながら段々と認知のゆがみを変えていこうとする専門的なアプローチが認知行動療法になります。

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