『よく聴くこと』が『よく効くこと』につながる

心理カウンセリングと言っても具体的なイメージがつかめない人が多いようです。

クリニックの受付にいると「カウンセリングって何をするんですか?」と質問されることがあります。
よくある心理カウンセリングのイメージはカウンセラーは心の専門家だから何でもわかっている存在であり、カウンセリングの場面ではすぐに何か特別なアドバイスを与えてもらえて心が楽になるというものです。

しかし実際には心の専門家でも初回の話だけではよくわからない事はたくさんあります。
すぐにアドバイスを与えてお悩みが解決するようなケースもありますが現実には少ないものです。

例えば、いつもクヨクヨ悩んでしまって気分が落ち込んでしまう人に対してもっと自信を持つようにアドバイスをしても、当たり前の話ですがそうできない自分を悩んでいるのですから意味がありませんよね。

では心理カウンセラーは何をするのか?

それはクライアントさんのお悩みや気持ちを『よく聴くこと』から始めていきます。
もちろんただ聞くのではなく専門家の視点でよく聴いていきます。

そうすることでカウンセラーは、クライアントさんがどうしてお悩みになっているのか心理的に深いレベルで理解できるようになります。

「ああそれならクヨクヨしたり憂鬱になってしまうのは無理もないなあ」と共感できるようになります。
そして共感していることをクライアントさんに伝え返していきます。

クライアントさんはカウンセラーにお悩みや気持ちをよく聴いてもらい、また共感してもらうと段々と心が軽くなってきて頭の中や感情の整理がついていきます。

この段階になると、カウンセラーはクライアントさんに有効な専門的なアドバイスや指示を与えることができます。
認知行動療法などそれぞれのクライアントさんに合ったアプローチを紹介することもできます。

このように心理カウンセリングではまずクライアントさんのお話をよく聴かせて頂くことから始まるのです。
そして、心のお悩みや症状には『よく聴くこと』が『よく効くこと』につながっていきます。

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