HSPの生きづらさについて
HSPとは
HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字を略した呼び名で、とても感受性が強く敏感な気質を持った人を指します。
日本ではとくにSNSで「繊細さん」という言葉も使われています。
ただし医学的な診断名ではなく、元々はアメリカの心理学者が提唱した概念です。
ですからネガティブな情報や捉え方には注意が必要です。
私が思うに大切なのは、自分自身の気質や全体性を受容的に理解するために、また自分なりの楽な生き方を見つけられるようになるためのフレームワークとして利用することだと思います。
また最初に気質と書いたように生まれつき持った性質を指していて、約5人に1人は少なからず当てはまると言われています。
逆に言えば多数派の5人に4人はそうではないのですから共感してもらえないことが多く、性質上HSPの人は過剰適応して疲れ切ってしまったり自己嫌悪に陥ったりすることが必然的に起こりやすくなるのです。
HSPの特徴について
HSPに当てはまる人は以下のような特徴があります。
またそれぞれの特徴は関連し合っています。
①心の膜が薄く相手との境界線が弱い
心の膜とは自分を守るバリアみたいなイメージのもので、個人差があり薄いと相手や場の影響を受けやすく自分を見失いがちになります。
相手との境界線は自分と相手の領域の境界にあるラインのようなイメージで、細くて弱いと侵入されやすいことになり相手の言動に傷つきやすかったり気にし過ぎたりします。
②過剰に共感や感情移入しやすい
①の特徴から相手の気持ちがよく分かってしまうので、その感情や意向を汲み取って相手に合わせ過ぎてしまい自分主体のあり方が保ちにくいです。
また映画やドラマなどの作品に感情移入しやすく感受性が豊かなのは良いことですが、その感情の波に自身が戸惑ったりネガティブなニュースなどに気分が同調しやすいです。
③周りの情報を感じて受け取る能力が高いので心身共に疲れやすい
これも①②の特徴と関連していますが、言わば周りの情報を受け取るアンテナが過敏なため相手や場の空気を意識せずとも繊細に拾ってしまい、その情報を処理したり気遣いするだけでも疲れやすいと言えます。
とくに相手や場がネガティブな感情や空気を発している場合は、その影響で自分の心的エネルギーも消耗してしまい疲れてしまうことが多くなります。
④自己嫌悪や自己否定に陥りやすい
HSPの人は繊細で共感力が強く相手の立場に身を置いて考えることができるため、心優しく平和を望む人が多いです。
しかしその特徴が過剰に働いて相手の問題に対しても自己関連付けをして「自分があんなことをしなければ良かった」「自分が悪かったからなのではないか」などと自己嫌悪や自己否定に陥りやすいです。
また怒ったり断ったりすることが苦手なので、相手の都合に振り回されやすく八つ当たりを受けやすいということもあります。
⑤外部の刺激を過剰に受けて自律神経を乱しやすい
HSPの人は外部から五感で受ける刺激に対しても敏感で過剰に反応しやすいです。
物音や騒音・光・匂いや味・天気や季節の変化などにも過敏に反応しやすく、頭痛や胃腸の不調・発汗・動悸などの自律神経症状を起こしやすいです。
メンタル的には緊張や不安になりやすい、他人や漠然と怖い気持ちにもなりやすいです。
こちらでの心理カウンセリングと参考記事の紹介
ここでの(私の)HSPへの心理カウンセリング
カウンセリングにお見えになるクライアントさんはHSPの特徴から過剰適応して心身共に疲れ切って抑うつ気味になっていたり、心の中では自己嫌悪や自己否定に陥っていたりすることがほとんどです。
まずは通常のカウンセリングと同様にそういったクライアントさんの状態や気持ちに寄り添いながら、問題解決に向けてクライアントさんに合うアプローチをしながらカウンセリングを進めていきます。
そしてHSPの特徴を正しく知って理解し、また当てはまる自分自身を段々と受容していくことが何より大切なのでカウンセリングではそのサポートをしていきます。
(もちろん最初は抵抗がある人がほとんどなので、そういった気持ちに寄り添いながら進めていきます。)
それができてくればHSPの特徴を持った自分自身を少しずつ肯定的に捉えることができるようになりますし、自分を守る意識も高まって自身に合う環境を選んでいったり、対人関係や自分自身との関わりについても有効な対処方法を考えて身につけていったりすることもできるようになります。
またクライアントさんのお話を詳しく聴くと、アイデンティティの確立がうまくいっていない・生育環境での両親や学校などの影響・ものごとの捉え方や認知の歪みなど、すべてのケースで他の要因や心のテーマも絡み合ってお悩みになっています。
とくにHSPによる生きづらいことが多い特徴があったとしても、それを正しく理解して受容し自分は自分でいいという肯定的な感覚を高めていくアイデンティティの確立は大きなテーマになることが多いです。
そして段々とアイデンティティを確立していくことができれば、自分自身を大切にして守ってあげる心の強さを身につけることができるようになり、自分にとって適切な環境に身を置いてHSPの繊細で共感力が強く相手の立場に身を置いて考えることも自分の強みへと変えていくことができるのです。
宜しかったら一度ご相談にお越しください。
HSPの人への参考記事
繊細な自分を受け入れて守ってあげる意識を持とう
自分と他人との境界にある膜
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具体例で説明する他人の気持ちや感情に敏感な心の仕組み
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HSP”敏感すぎる人”の参考本について
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ご一緒にお悩みやその問題と向き合っていきましょう。
心が楽になって“なりたい自分”にきっと変われるはずです。