【認知行動療法(CBT)について】
前回までは、私たちの普段気づかない無意識にある【自動思考】の【認知の歪み】について。
そして、ホームワーク(宿題)としてワークシートをお渡しして、【自動思考】の【認知の歪み】に気づく練習をして頂き、そうしていくことでどのような効果が認められるのかを簡単に説明してきました。
そこでも書きましたが、クライアントさんにワークシートを何枚か書いてきて頂き、ご一緒に話し合っていくと、【自動思考】にそのクライアントさんのパターンがいくつか見つけることができます。
たとえば、Aさんは上司に新規の仕事を任せられ、すごく不安になったという状況と気持ちでは、『自分にはできるはずがない』『絶対に失敗するに違いない』という【自動思考】でしたね。
他にもホームワークで書いてきて頂くと、上司に挨拶をした時に無視されたように感じて悲しかったという状況と気持ちでは、【自動思考】は『自分なんか気にもされない』でした。
また、会議での話の内容がよくわからなかった時に憂鬱になったという状況と気持ちでは、【自動思考】は『自分には理解力がない』でした。
などなど。
そして、ご一緒に【自動思考】をよく見ながらパターンについて話し合っていくと、その共通する信念は、【自分はダメな人間だ】というものだとわかってきました。
図にすると…
(※横につなげてイメージして下さい)
【状況】
新規の仕事を任された
上司に無視されたように感じた ⇒
話の内容がよくわからない
【スキーマ】
→
⇒ ≪自分はダメな人間だ≫ →
→
→
【自動思考】
→ 自分にはできるはずがない
→ 絶対に失敗するに違いない
→ 自分なんか気にもされない
→ 自分には理解力がない
【気持ち】
→ 不安 緊張 など
→ 悲しい など
→ 憂鬱 など
このように図を見て頂ければわかるように、また以前にも書いたように、【自動思考】の【認知の歪み】はつらい気持ちや行動の原因なのですが、さらに【自動思考】に影響を与えて束ねている悪の親分のような?≪自分はダメな人間だ≫がいますね。
(ただし、良い影響を与える親分?もいますので誤解のないようにお願いします)
このパターンに共通する信念のことを、認知療法では【スキーマ】と呼びます。
そして、この【スキーマ】が【自動思考】を作り出しているのです。